昨日は、疲れとストレスでパワー全開ではなかった。 夕方の合唱団の時間が近づいてくる。 「先週、皆、大祝福をしてくださったのに、その翌週に、バタンキューでは申し訳ない!」「こういう時こそ、光を浴びなければ!」 自分をプッシュし、主人に車で送ってもらった。 ああ、やっぱり、行って良かった!練習後、心が清められ、生き生きしている自分がいた。 この日も練習の場に着くなり、祝福の言葉を次々にかけてもらった。 「先週休んだので、お祝いが遅れてしまったけど、本当におめでとう!」とハグ。 「先週来たかったのだけど、来れなくて残念!私も、先週のお祝いの場にいたかったなー。おめでとう!」 「練習ビデオで見たわよ!」(毎週、2時間以上の練習を、メンバーが録画してくださっている。休んだ場合、練習に追いつけるように) その後、隣の席のメンバーと話が弾んだ。 合唱団の掲示板に彼女のストーリーが投稿されていた。練習に来る前にそれを読んだ私は、涙が溢れた。 海軍でヘリコプターに乗っていた息子さんが戦死された。 ミシガンにある、アーリントン墓地のような、国家墓地に眠っておられる息子さん。亡くなった数か月後の、初めてのクリスマスの夜に、彼女は会いにいった。 雪で覆われた真っ白な墓地、夜、誰もおらず彼女一人。静かで美しい銀世界。鹿がふっと横切り、何とも言えぬ美しさ。そこで見た光景・・・。 彼女にとって、もっとも思い出に残るクリスマスとなった。 「天国を見られたのですね」と私。 私はその光景を心に描きながら、ある出来事を思い出した。 20代の頃、カナダでケベックのカナダ人たちと、学校のタレントショーで一緒に歌を歌った。私は何と、歌とピアノ伴奏の両方にチャレンジしていた。 友人たちと、ベット・ミドラ―の「The Rose」の練習でハモっていたときのこと。 友人の一人イザベラは、美しいエメラルドグリーンをもつ金髪の女性。彼女の声が、何とも胸を打ち、心にしみてくる。 「これは一体、何だろう・・・」彼女に聞いてみた。 彼女はつい最近、自分に起こった出来事を話してくれた。 彼女には愛するフィアンセの男性がいた。彼はカナダの極寒の雪山で飛行機かヘリに乗っていたようだ。週末、管制塔の職員たちも業務を終え、帰宅してしまった後に、事故は起きた。 彼は帰らぬ人となった。 週末の間、数日間、見つけられることなく、雪山で息絶えていた。 週明け、彼の体が見つかった時のこと。発見した人が驚いたことに、友人のイザベルの写真が、その雪山の突風吹き付ける中、数日間の間、吹き飛ばされず、彼の体の側にあったという。 私は、「The Rose」の歌を聞くたびに、この出来事と、彼女の美しいハーモニーの声を思い出す。 この出来事をアルトの友人に共有した。 すると彼女も、息子さんがアフガニスタンで亡くなった直後、ある不思議な出来事があったことをお話くださった。 「私、信じます。亡くなった方は、その魂が、長距離さえ超えて、飛んで来られると思いますから。愛しています、と伝えたかったんだと思います」とお伝えした。 100人を超える合唱団のメンバーたちは、それぞれの物語を歌にのせ、共に音楽を創っている。それを改めて実感している。 (祝福とともに頂いたレイ) アメリカに帰化した私に、地元ハワイの家族、友人、仲間、また本土のアメリカの仲間、たくさんの人々から、本当に心温まるお言葉、祝福の言葉、笑顔をたくさん頂いている。
感謝で胸がいっぱいになるとともに、アメリカの人々が、どれほどこの国を愛しているか、また誇りをもっておられるか、改めて実感する。 ジョンFケネディ大統領の言葉をいつも思い出す。私も、この国のために何ができるか、アメリカが世界平和のためにどのように貢献できるか、を考えている。 これから勉強すべきこと、やるべきことがてんこ盛りだ。 先日、仕事関係などで、少し気持ちが荒れていたとき、合唱団の今季の楽曲のひとつ、Eric Whitacre作曲の「GLOW」を練習していた。すると、すぐに「スーッ」と心が軽くなった。 何て美しい曲なんだろう!今季の合唱団の選曲も、ため息が出るほど美しい楽曲に溢れている。 GLOWを、眼を閉じて仲間たちと歌っていると、昔、カナダの凍えるような寒さの冬のオンタリオにいた頃の雪景色が蘇ってくる。 ハワイにいながら、美しい真っ白な雪景色の感覚に包まれる。その美しさを味わい感動している自分がいる。 音楽って、本当に凄い・・・ (昨日2週間ぶりに、コナ・コーラル・ソサエティ(KCS)の合唱リハーサルへ。
練習所に到着するなり、皆、次々に笑顔で声をかけてくださる。 「ウェルカムバック!」「本当におめでとう!」 何と先週、私が米国市民権を取得した直後の練習日、ディレクターのスーザンが私の私の市民権取得ニュースをメンバーたちに伝えてくださったそうだ。皆、大拍手で祝福してくださったとのこと。(私はそこにいなかった) またその時、スーザンが読み終えたばかりの私の著書、「アマゾン・パラダイス」についても紹介くださったそうだ。スーザンは、本のメッセージに非常に感動、共鳴してくださっているようだ。 練習が始まった。そして途中のアナウンスなど情報共有の時間。何とサプライズが用意されていた。 最近のイベントの成功、その立役者スタッフへの労いなどの後、 「もう一人、私たちの特別な仲間、由美子ウォーナーが、何とこの度、晴れてアメリカ市民になりました!由美子、前に出てきて!」 ビックリ!拍手の中で立ちあがりながら、私は気が付くと、両手を高く上げ、ガッツポーズをしていた。 いつも優しくしてくれるアルトのリディアが、美しい赤と白の組み合わせのカーネーションのレイをかけてくださった! 拍手喝采の中、私は大泣き・・・。 すると会場の後ろから男性の歌声が聞こえてきて、だんだん広がり、歌声がひとつになった。 何と、アメリカの国歌「星条旗」だ。 私は感動しながら、右手を胸に当て敬礼。すると何と合唱団のメンバーが皆、次々に立ち上がり、全員、右手を胸に当てたたま、国家を斉唱!! セミプロ級の合唱団による「星条旗」斉唱である。 私は圧倒され、圧巻の光景を前にボロ泣き。ボロボロ泣いているメッバーたちもいた。応援してくれていたアルト・ソリストのウェンディの涙顔も見えた。 何て純粋な、そして力強い祝福なんだろう! 私は、心からの祝福に包まれ、ここアメリカから心から強いウエルカムを頂いていることを実感していた。 軍隊のメンバー、その家族のメンバーもおられる。その方々への敬意を示しつつ、途中、感動で歌えなくなったが、途中からまた皆と一緒に歌い続けた。 終わった後、挨拶させていただいた。 「言葉にならない・・・」「今まで聞いた中で、最高のStar Spangled Bannerだった!」 「主人がホッとしていました」笑いが広がる。 「ここまで長い旅だった」「私はアメリカが大好き。日本も大好きなので、日米が善き関係をもち続け、世界平和に貢献できるよう、より仕事を頑張る、と日本の上司に伝えた」など話をさせていただいた。 スーザンが、「アマゾンの話もまたしてもらいましょう」と。 練習の前後、メンバーたちが、「おめでとう!」と声をかけてくださる。 「私たちも通った道。気持ちがとてもよくわかる!安心でしょ」「私も数十年前、アメリカ市民になったの」「主人も昔、アメリカ市民になったの」と、それぞれの移民の物語をしてくださった。 アメリカは、アメリカ人になると決心し、アメリカに正面から飛び込んでくる人を、心から歓迎し、受け入れてくれる。 深い感動、感謝に包まれながら、自分のこれからの仕事、役割を改めて実感している。そしてアメリカの光、そして世界の光になりたい、と願う。 (以下リディアが送ってくれた写真。数日前に前髪を自分で切っていたとき手が滑り、前髪がチョンチョンに・・・こんな時に限って、こんな重要な場が!) |
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An Interpreter for JCU Archives
April 2021
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