多大な被害を出したハリケーン・ハービー。
人々が避難している建物にも水が浸水。 建物には、ビーチチェアのような人びとが睡眠をとるための簡易ベッドも並べられていたようだが、それらが水浸しで、浮いている・・・。 言葉が出ない。 地元からの報道画面を見ていると、市民がボランティアで、浸水した町に操りだして、自分のボート、カヤック、カヌーなどで住民救助にあたっている。 泥色の川と化している水の中で、人びとは自らの生命を危険にさらして、近所の人々の救助にあたっているのだ。 メディアの人々も、ハリケーン上陸前から現地入りし、実況中継をしている。 これも命がけの仕事だ。 上陸前から彼らは必死で状況を報道してくれているのだが、飛ばされそうになり、両足で踏ん張ってマイクをもっている様子に、レポーターの無事が心配で気になって、内容が全然頭に入ってこなかった。 時折、カメラの前に布が動く。「えっ、隠すのかな」と思ったら、カメラのレンズが頻繁に雨のため濡れるので、こまめに拭いているのだ。 ある救助活動をしている男性が、「目標は何ですか」とインタビューを受けたとき、 「一人でも多くの人、できるだけたくさんの人々を救いたい」 天使の言葉だ・・・。 今ここに書くのもはばかれる内容だが、「アメリカで災害が起こると、暴動や盗難などが起こる。怖い」なんて昔、聞いたことがある。 一部のメディアの煽り、無責任な報道、偏見を煽るような報道姿勢に、自分の頭も毒されてはなるまい、と改めて痛感する。 現地では確かに、一部の愚か者が、店で盗難、略奪を行ったり、ということも目撃、報道されている。それに対し注意も喚起されているようで、警戒、備えは必要だ。 しかし一方で、多くの人々は自らを危険にさらしながら、家の中に閉じ込められている老人、母子、トラックに閉じ込められている男性ドライバーなどを次々に助け出している。 他の地域から駆けつけて、救助に当たっている人びとがいる。 犬などのペットは、アメリカでは、まさに「家族同然」。浸水した家に取り残された犬、猫たちも次々救助されている。 あるお母さんは、息子さんと無事助け出された。じっと救助を待っていたがなかなか来ず、息子を死なさてしまう、と絶望的になっていたとき、ついに、助けが来た! お母さんは、救助の人々が来てくれたとき、「天使が来てくれた・・・」と泣き崩れていた。 昨日、アメリカのテキサスを含む広範囲の地域で、ハリケーンの被害が出ているニュースを見ていた中、日本のニュースの「避難してください!」との警告を目にした。
ええっ!! 北朝鮮ミサイル発射。住民への避難警告。 北海道に滞在していたこともある私は、地元の景色、生活の様子に、思いを巡らせた。 「果たして、避難できるコンクリート建造物って、どれくらいあるのだろうか・・・」 アメリカのテキサスでは多大な被害が出ているが、まだハリケーンは弱まっていない。再度、大量の雨を降らせる可能性がある。 前代未聞の規模。 状況が予測できない中、テレビの画面から飛び込んでくる映像は、地元の人々が、自分のゴムボート、カヤックなどを使って、地域の人々を助けだしている様子。 年配の人の手を引く人、子供を抱く人。籠に入った猫たち、犬たちも次々救助されていく。 人々は淡々と静かに、助け合っている。 FEMA(米連邦緊急事態管理局)などもフル出動で救助にあたっているようだが、政府の救助だけでは、到底及ばないレベルとなっている。 住民に、「政府の救助をただ待っているだけでなく、どうか皆さんも救助に関わり、地域の人々を救助してください」と呼びかけるほど。 テレビでは、「被害地域の人々に、祈りを向けましょう」との言葉も頻繁に聞かれる。 映像に心痛めながら、毎日の祈りの中で、私は主人と、ハリケーン被害がこれ以上拡大しないよう、また地域の人びとが全員救助されるよう、祈っている。 また日本の地が、北朝鮮の核兵器攻撃を決して決して受けることがないよう、祈っている。 昨日のミサイル発射、日本上空通過は、アメリカで、ハリケーンのニュースとともに、重大ニュースとなっている。 祈りとともに、私のできることを、ここで着々進めるのみである。 ハリケーン・ハービーがテキサス、ルイジアナに近づいている。
およそ12年以来初めて、アメリカでのカテゴリー3ハリケーン上陸になる可能性がある、と警告が出されている。 「時間との戦いだ。早急に、自分と家族を守るため、それぞれしかるべき行動をとってほしい。私の言うことが間違いであってほしいのだが。しかし私たちは最悪の事態に備えるべき」との天気予報官の報道は、真に迫るものがあった コナも今年夏の暑さのピークを超えたかな、と思ったが、甘かった。
日々、温度を記録更新しているのでは、と思うくらい、暑い!! 週末は主人も私も、日中ダウン。 リフレッシュしてから、夕涼みを兼ねて、映画館に。 主人のお母さん夫妻が住んでいるノースキャロライナが舞台の映画。 “LOGAN LUCKY” https://www.youtube.com/watch?v=aPzvKH8AVf0 最近、ここアメリカでの英語のコミュニケーションに、かなり自信を増していた私。 内容に通じていたら、政治国際ニュースなど細かいところまで理解でき、トークショーのジョークでも、ゲラゲラ笑っていた。 なのに・・・ この自信はこの日、見事に打ちのめされた。 南部の英語のスラングがわからない・・・。ジョークがわからない。 南部の英語は、私が日々コミュニケーションをしているハワイ、ワシントンなど東部や西海岸の英語とは、全く違う。 10年ほど前に、日本で本格的に通訳のキャリアをスタートしたのは、アメリカ南部から来た工場現場監督者たちの通訳だった。 当時も最初、かなり苦労したのを思い出した。 悔しい。 ストーリーはなかなか面白かったし、好きな俳優たちが登場していた。 負けず嫌いの私。 後は「慣れ」、である。 「映画がビデオ化したら、再度見て、南部英語を復習しよう!」と心に誓った。 ポーランド系アメリカ人の主人のお母さん。会話を始めると、いつも止まらず、だんだん哲学的な話になっていく。
今日も興味深い話になった。 「アメリカはこのままだと、内戦が起こるのでは・・・」と危惧されるくらいの状況。お互いの見解を共有した。 白人至上主義も、KKKも、あらゆるものは、その心の奥底、源には、「恐れ」があるのでは、と。 現大統領への「嫌悪」感情も、深いところには、「恐れ」があるのでは、と。 メディアなども、私たちの心の中にある「恐れ」を煽り、「恐れ」を拡大しようとしているのでは。 では、その「恐れ」を超えるには、克服するにはどうしたら、良いか。 それを去るには、「知識」だ。 知識が人を恐れから解放し、知識が人の心を自由にする。 (続く) |
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An Interpreter for JCU Archives
April 2021
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